現存するお墓の多くは、6人7人兄弟が普通だった大正~昭和の初期(1910~1940年代)生まれの人たちの手で、経済的に豊かになった昭和の後半から平成の中盤に建てられたものです。
戦後(1945年~)はというと、少子化トレンドが70年続き、加えて、多くの人の生活拠点が都市部に移動した結果、今の時代は「墓じまい」が避けられなくなっています。
親よりも子の数が少ない縮小スパイラルの中では、引き継ぐ家族がいないお墓が増えるのは当然のことです。
このページでは、そういう時代に求められる、「お墓を代々引き継ぐことを前提としない遺骨の供養」を提案します。
① 骨上げ(拾骨) で受け取った遺骨の状態で「納骨」する選択
キーワードは「永代供養の納骨堂」と「永代供養の合祀墓」です。
納骨堂は、遺骨を骨壺に入れて安置する屋内施設で、画像の下段のハコが骨壺です。そして扉の名札でわかるように、家ごと(個人ごと)の割り当て区画を使用するしくみです。
引き継ぐ子・孫がいない、または、いなくなった場合でも、ある一定の年数を経過すると、合祀納骨(ごうし=多人数の霊を1カ所にまつる)することを契約して、最後の人まで永代供養できる施設もあります。
② 粉骨加工を必要とする「海洋散骨」「樹木葬」「手元供養」
骨上げで受け取った遺骨は、まず、粉骨加工の予定分と、納骨堂・お墓への納骨予定分に分けておく必要があります。
火葬した後の焼骨を海洋散骨するためには、遺骨とわからない程度(1mm~2mm)に粉骨加工(パウダー化)する必要があります。
また、海洋散骨や樹木葬ではなく、遺骨ペンダントやメモリアルジュエリーなど、手元供養を目的とする粉骨加工や、将来のために「粉骨加工のみ」行いたいというご要望にもお応えしています。
ひとまずは遺骨を、画像にある骨壺の状態でご用意ください。
火葬のあとの焼骨は、骨上げ(拾骨)という儀式を経て、お墓や納骨堂に納める供養のために、画像のように「遺骨がきれいに残った状態」で火葬場から引き渡されます。
納骨堂・お墓への納骨予定分は、そのままの遺骨の状態で残し、手元供養・海洋散骨予定分だけを、粉骨加工でお預かりします。
<参考>遺骨の状態を大切にする日本とはちがい、欧米の火葬では、焼骨を高温焼却して粉骨状態(遺灰)で受け取るため、粉骨加工はありません。
ステンレストレーに広げた遺骨には、金属や装飾品などの異物が混ざっている場合があります。
ピンセットや磁石を使用して、すべて手作業で取り除いた上で乳ばちに移します。
遺骨がお墓に埋葬されていた場合や、湿気のある場所に長期間保管されて水分を多く含んでいる場合は、粉骨加工の前に低温乾燥作業(24時間~48時間)が必要になります。
乳ばちと乳棒を使って、まず数ミリ程度まで砕骨します。
遺骨の量が多いか少ないかにかかわらず、乳ばちと乳棒でていねいに砕骨作業を行います。
また、遺骨に含まれる場合がある有害物質の「六価クロム」を、専用の還元剤を使用して、環境にも人体にも安全な無害化処理を並行して行います。
画像は、数ミリ程度まで砕骨した状態です。
さらにパウダー状(1mm~2mm)にまですることで、体積は約3分の1から5分の1程度の量になり、半分以下の大きさの骨壺に入れることができるほか、骨壺以外での保管も可能になります。
また、納骨堂などで納骨スペースがいっぱいになった時にも、粉骨加工でまとめることができ、より多くの遺骨を納めることも可能になります。
画像は、パウダー状(1mm~2mm)にまで粉骨した最終状態です。
海洋散骨を行う場合、水溶性の紙袋に個別に包装します。
パウダー化して体積の小さくなった遺骨は、遺骨ペンダントやメモリアルジュエリーなどへお入れする場合にも適した状態です。
1柱(1名分)¥22,000(税込)
基本プランには、①水溶性袋 ②骨壺処分 ③異物除去 ④六価クロム還元 ⑤ジップ付ポリエチレン袋 ⑥粉骨証明書 が含まれます。
基本プランに加算額 ¥6,600(税込)
遺骨がお墓に埋葬されていた場合や、湿気のある場所に長期間保管されていた場合に、低温乾燥(24時間~48時間)が必要となります。
持ち込み加工(1品につき)¥1,100(税込)