ギフトは、贈答品とも呼びますが、『贈&答』の意味って何でしょう。
贈 ⇒⇒ 愛情・支援・感謝などの気持ちを表すため人に与える金品
答 ⇒⇒ 受けた厚情に対して感謝・お礼の気持ちを伝える「お返し」
いまの日本では《贈》に答える《答》ではなく、《答》がひとり歩きしているのです。
【例1】結婚祝金の50%はお返しに充てなければならない。
【例2】香典額の50% ピッタリを商品券でお返しした。
など、義務化している半額返し をちょっと考え直してみませんか!
日本以外の国や地域では、「お返し」ってどうやっているの?
「お返しできる機会がめぐってきたときに行う」のが世界標準。
自分がうれしかった気持ちを、何か感謝の形に表わしたいと考えることは、世界中どの民族もどこの国民でも差はありません。
お返しの方法は、ランチやホームパーティへの招待であったり、旬のイベントやコンサートに誘ったり、相手の方の誕生日にプレゼントを贈るなど、お返しする人が「思い立った時に」「贈りたい方法で」のようです。
では、なぜ私たち日本人どうしでは、その都度 いちいち「半額返し」をするのでしょうか?
【理由1】祝い事でも法事でも、それぞれの行事ごとに "贈 → 答" を完結させるほうが礼儀にかなっているという考え方。
【理由2】経済成長で豊かになった昭和の時代が産んだ、「お返しは半額でなければならない」という暗黙の合意。
の2点が考えられます。
贈答の習慣そのものは、人と人との助け合いやコミュニケーションの広がりなどプラスの面が多いのですが、「半額返し」にこだわり過ぎると、"金銭で事務的に義理を果たせば済む" ということになりかねません。
これからは、世界標準とまではいかないまでも、もう少し大らかな、持ちつ持たれつのおつきあい を心がけてみてはいかがでしょうか。
「お返し」って、必ず何か品物を贈らなければならないの?
そんな必要はありません。
お祝いやプレゼントをもらったら、すぐに開けて、その場で感謝の気持ちを表現しましょう。
"喜ぶ顔が最大のお礼" つまり "お返し" です。
特に、「初節句」や「七五三」を祝ってもらう近い親族に対しては、じかに子どもの 元気な姿を見せて、「ありがとう」と伝えましょう。
返礼品などは贈らない方が自然です。
また、お祝いの現金・品物を郵便や宅配便で受け取るような場合、例えば「入園・入学祝い」、「卒業・就職祝い」などは、両親がお礼を伝えることは、もちろん必要です。
しかし、それ以上に、子ども自身が直接、電話や手紙で感謝の気持ちを伝えることが "心のこもったお返し" ではないでしょうか。
さらに、返礼品も贈りたいのであれば、単にのし紙に包装だけではなく、あなたやお子様のメッセージカードを添えて、心からお礼を言いましょう。
内祝いや香典返しは「半額返し」でなければいけないの?
そんな決まりなどは、全くありません。
そもそも香典については、≪お葬式費用の助け合い≫ ですから、半額返さなければならないはずがないのです。
お祝金や香典をくださる方は、贈った金額をあなたに有効に使ってもらいたいのですから、お返しはお礼のしるしなのです。
中でも、あなたを援助する立場にある、勤務先の代表者・責任者へのお返しは、もらった金額の 1/5 ~ 1/6 の品物でかまわないので、直接手渡してお礼を伝えるのが礼儀です。
したがって実際は、すべての相手に1/3返しでも、1/5返しでも良いのですが、半額返しが気になるようなら、目安として、品物やカタログギフトのメーカー希望価格が、もらった金額の半額くらい と考えてみてはいかがでしょうか。
実際は割引がありますので、宅配送料も含めて、もらった金額合計の40%くらいが平均的な支払総額でしょう。
実は、逆のこんな例もあるのです。
2人の友人から、≪連名でお祝い≫ をもらった人が、半額返しでいいとわかっていても、「贈り物がほんとうにうれしくて、心からお返しがしたい」と思って、それぞれの人に半額くらいの品物を選んだ結果、全額返し になってしまったのです。
でも、本人はとても満足しているんですよ。
こういうお返しができる人は、とても幸せですね!
内祝い・お返しを贈るのはいつ頃がいいの? その理由は?
あわてる必要はありません。
贈る時期に厳格な決まりはありませんが、お祝いや香典を受け取ったあと、時間を置かずに「お返し品」を贈ってしまうと、相手のかたは、「愛情や支援の気持ちを突き返された」 という印象を持つ可能性があります。さらには、あなたが、「お祝いや香典をもらったが、迷惑だった」 と言っているように取るかも知れません。
また反対に、早く「お返し品」を手配しなければと思いながら、ずいぶん時間が経ってしまうこともあります。
ギフト案内を見ると、≪○○のお返しは、△△日以内に贈るのが常識です≫ などと書いてあるので、余計にあせってしまいますよね。
■実を言うと、このような案内文は販売業者が他店よりも先に売りたいがために、注文を急かしているんですよ。
現実には、結婚・出産の内祝いが2ヵ月後になったり、香典返しが3ヵ月後になっても、許容範囲内だいじょうぶです。
あわてて事務的に処理をすると、かえって値打ちが下がりますよ。
キーワードとして、ひと呼吸おいてから、きちんと手配する と考えましょう!
お祝いの返礼品のことをどうして ≪内祝い≫ って言うの?
"内輪だけでする祝い事" の記念品なので「内祝い」と呼ぶのです。
つまり、結婚や出産など自分の家族にめでたいことがあった時に、身内や親しい人たちの家々に報告とともに "喜びのおすそわけ" という気持ちで持参する品物が 「内祝い」なのです。
出産の祝い事を例にとると、以前は、お宮参りのあとで出産の知らせを出した全員に記念として赤飯を配る 「内祝い」が一般的でした。
現在ではそれが転じて、出産祝いをもらった人だけに、そのお礼として贈る 「内祝い」という使い方になっているのです。